大豆の若葉

桃の花 今年の花の春を迎えるように

未生流 西村陽甫先生の花。

桃の花、菜の花(西村陽甫先生)

春の節句を迎えて、
未生流の西村陽甫先生が
桃の花、菜の花を生けてくださいました。
( 木村宜正さんの三島手の花器に。)

たっぷりと生けてくださった 桃の花。
桃孤棘矢(とうこきょくし)の故事のように、周囲の空気を、春の気で清めてくれます。

桃 之 夭 夭  宜 其 家 人
( 桃の夭夭たる 其の家人に宜しからむ )

周代 毛詩(詩経)より

桃の花から連想するのは、この句。
四千年来、尊ばれてきた樹の力。
そういえば、壽老人も桃を携えていて。


本朝の ことのは には、次の歌があります。

春苑 紅尓保布 桃花 下照道尓 出立嬬
( 春の苑 紅にほふ桃の花 下照る道に 出で立つをとめ )

万葉集 巻十九・4139

夕暮れ時の、桃林でのこの歌の情景を想うと、万葉の春に、はっとします。


桃と椿(木村宜正さんの花器)


西村陽甫先生(片桐英郎先生のお嬢様)

西村先生のお父様が、武田薬品の
薬草園から贈られた数寄屋侘助椿。
  ( 五代清水六兵衛の花器に。)

西村先生のお父様 片桐英郎先生は
京大の農学部の名誉教授でらした方。
東京帝大からイギリスへの留学の後
京都帝大で新しく研究室を開かれ
「発酵生理及び醸造学」の権威として
この分野の基礎を築かれました。

西村陽甫先生。
いつも、生命力にあふれた花を生けてくださいます。
手ずから生けて頂く花からは、
多くのことを教えて頂いているよう。


春、桃の花



ゆば長