大豆の若葉

日本料理文化博覧会(京都祇園_八坂倶楽部にて)

ユネスコ無形文化遺産条約40周年に際して、「和食」が登録を間近に控えております。 「ゆば長」の湯葉も、この博覧会に出品致しました。

日本料理文化博覧会(2012年)

伝統的な「 和食 」 の文化をユネスコ無形文化遺産に~を合言葉に
「日本料理文化博覧会」が、2012年11月5日(月)~11月11日(日)にかけて、京都市内の数々の会場・料理店にて開催されております。
ゆば長でも、「日本の食文化展示会」に、11月9日(金)~11月11日(日)に
京都祇園の八坂倶楽部に、京湯葉を出品致しております。


祇園甲部歌舞練場

京都五山のひとつ、建仁寺の
すぐ畔に、毎年、桜の4月には
「都をどり」で賑わう
祇園甲部歌舞練場は あります。


八坂倶楽部(登録有形文化財)

八坂倶楽部は、その
同じ敷地の中に立つ
登録有形文化財。


ゆば長の「京ゆば」

日本の風土が育んだ食材の一つとして
「ゆば」を展示・販売致しました。
文化都市「京都」の歴史とともに歩んだ
「和食」という食文化は、私たちのふだんの
食のひとつの姿ではないでしょうか。
それを支える一助として「京ゆば」が
あることを、嬉しくも厳しく実感致します。


「京白丹波」大豆を使った湯葉


2日目からは、京都で生産される、フードマイレージの少ない「京白丹波」大豆を使った
生ゆば(さしみゆば、つまみゆば)を展示・即売致しました。

「 京白丹波 」は、有名な 丹波産黒豆「 紫ずきん 」と 「 玉大黒 」大豆とを、研究者の方が、10年以上の歳月を掛けて、20回以上の交配により、誕生しました。
京都の丹波産の黒豆の味覚を持ちながら、上品な白い色と甘みを有した優れた大豆。
現在、試験農家さんで僅かな量しか生産されないので、こうした京都府の主催する行事にのみ利用させて頂いております。


八坂倶楽部(開放的な建物)

太い梁と広い縁側を持つ、この建物は
2階の広間と舞台という構造と共に、
建設された大正という時代を映した
ひとつの姿を感じます。


祇園甲部の舞妓さんによる井上流「祇園小唄」


祇園甲部の舞妓さんによる「祇園小唄」が演題のひとつ。
京都の花街の四季が、振り付けによって情緒豊かに表現されています。


貴人の食した食事

会場では、「有職料理」「本膳料理」「精進料理」「懐石料理」 が、京都の名門料亭各位により再現されておりました。昔の貴人の食した食事の中にある儀式的な姿を強く感じました。
上の写真は「有職料理」の膳の一つ。


「有職料理」の膳の再現

高く盛り上げる「有職料理」


高く盛り上げる姿は、天へと腕を差し伸べる、儀式的な色彩を感じます。
大陸から伝わった文化が、日本独自の姿に変遷するまでの過渡的な形でしょうか。


饗膳の図

会場では、同時に日本の料理に関する古い文献も展示されておりました。
こちらは、「饗膳の図」より「式三献」の形。


式三献

当時の日本の料理が酒の儀式から始まったことを示しています。
婚礼の儀や、茶事の千鳥にその姿が残されているのでしょう。
塩、梅干し、生姜、塩納豆などが供されております。

「食文化 」もまた、「文化」の一つだと、強く感じた今回の出品となりました。
そも「文化」とは如何なるものでしょうか。
私は、その地に住する人々が、長い時間軸の中で、周囲の人々との差異を特徴づける固有のなにがしか、だと考えます。その差異を互いに尊重し合うことで、有機的に繋がり響きあい、更に豊かに育まれるものでしょう。
「食」の文化もまた、同じであり、隣国の影響を経てなお存する「姿」ではないでしょうか。
それは、その地の風土と密接に通うものだと、感じます。

私たちの住む地球上には、今もさまざまな「食」文化があります。
「和食」のみならず、それら貴重な「食」文化が、それぞれの子供たちに、いつまでも受け継がれていきますことを。



ゆば長